花の写真を撮る。しかし、花がメインではないのだ。左側の花弁の下に小さな昆虫が見えるだろうか。実は、この昆虫のことを書きたかったのだ。といっても、生物学的に、この昆虫の種類は何で、どんな性格の持ち主だ、といったことが書きたいわけではなく、私が、この花の前で立ち止まり、その美しさに目を奪われていたとき、この小さな生き物の存在に気がついたのだったが、そのことを書きたいと思う。
しばらく見ているとやはり小さな蜘蛛が出てきて、すばやくこの昆虫に飛び掛ると、餌にしてしまったのだ。この小さな舞台の上でくりひろげられた弱肉強食の世界。何だか、今の日本の政治状況に似ていないだろうか。
新自由主義の名で競争させ、勝ち組、負け組に分けるやり方は、勝者の論理である。持てる者と持たざる者、どちらが成功を収める確率が高いのか、すごくはっきりしている。圧倒的に持てる者が成功する確率が高い。持たざる者の中にも、成功を収めることができる運のいい奴もいるかもしれないが、それは例外であろう。持てる者と持たざる者は、明らかにスタートラインが違う。持てる者は、持たざる者と比べると、はるか前からスタートできる。持たざる者は、ずっと後ろからスタートし、持てる者に追いつき、追い越さなければ成功にいたることはできない。
バブルが崩壊して以降、土地の資産価値が下がり、銀行の企業評価も変化した。融資の条件も担保主義から、会社の能力評価によるようになったので、新規事業を立ち上げるときに、その事業の可能性・将来性や採算性などが明示的に資料として用意できれば、銀行は金を貸す。そうやって資金を確保し事業を起こし成功を収める可能性はある。しかし、持たざる者にとって、その道はかなり遠い道のりだ。