731
 大学の先輩で、備前市議会議員をやっている人がいる。今日は、その先輩の事務所開きに行った。お祝いを2万円包んだのだけれど、高いのか、安いのか・・・、基準がないので良く分からない。
 事務所開きには、ご近所の人以外に、岡山市からもたくさん参加していて盛況だった。大学の先輩とはいえ、卒業したのが25年も前なので、当然のことながら、ご本人に大学の時の面影はない。当時は、60キロ少々しかなかった体重が、おそらく90キロは超えている。その変貌振りには驚いた。私が、58キロ→80キロで、約20キロの増加に対して、先輩は、60キロ→90キロ超とすると、その増加率は150%、つまり1.5倍にも膨れ上がっているのだ。
 本人の弁では、議員になって、多忙を極め、運動をする時間がなくなったこと、食生活が不規則になったことなどをあげていたが、私に言わせれば、単なる過食であろう。まあ、人のことは言えないけどね。

 帰りに、宮脇書店によって本を物色する。そして、見つけたのが『731』(青木 冨貴子著、新潮社、2005年8月25日発行)だ。第二次世界大戦当時、細菌戦部隊731の責任者であった石井四郎の直筆大学ノートが見つかり、その石井メモの内容の全貌が明らかにされている。
 戦後史最大の闇といわれる731部隊の存在が広く世間に知られるきっかけとなったのは、森村誠一の『悪魔の飽食』だ。この本は、下里正樹氏の取材に基づき、森村誠一氏がノンフィクション作品として世に問うた書である。
 旧満州国で731部隊が行っていたという人体実験の実態を詳しく描いており、話題を呼んだ。本著は、731部隊を初めて一般に知らしめた著作であり、国内で広く731部隊の存在が認識されるターニングポイントとなった。本著以前においては、石井四郎を初めとする旧部隊関係者の強い結束と、医学界中枢に食い込んでいた旧部隊研究者達の圧力により、帝銀事件などの例外を除き、731部隊の存在が語られることは皆無であったとされるが、本著以降、731部隊に関する、賛否さまざまな視点からの著作が発表される事となる。

 今日買い求めた、『731』は、石井四郎の直筆メモとであった筆者が、自ら関係者に取材したことも含めて、731部隊の戦争責任が免責された真相に迫ったものである。
 戦後史の闇に葬られてきた731部隊については、私自身興味を持ってきたところで、この書により、新しい事実を知ることができると期待しているのである。
【2006/04/02 11:38 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
文化人類学
 今日は、東京へ出張。新幹線の中で、本を読む。

綾部 恒雄編『文化人類学15の理論』(中公新書 1984年9月25日発行)

 少し古い本なのだが、文化人類学という学問の全容を概括的に理解するにはちょうどいい。文化進化論から始まって文化伝播主義、機能主義人類学、オランダ構造主義、マルクス主義と人類学、構造主義、現象学等々。文化人類学の主要な論点が整理されて提示されている。
【2006/03/23 15:54 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
地図を歩く
堀 淳一著『地図を歩く』(河出書房新社 1974年8月30日初版発行)

 高校生の頃、同じ著者の『地図のたのしみ』を読んでいた。たまたま、古本屋で何か出物がないかと物色していたら、『地図のたのしみ』の続編とも言える本書が目にとまった。手にとって見ると、30年以上前の発行だから、紙の色も褐色っぽく変色しているが、壊れている所もなく、しっかりとしていた。買い求めた人は、丁寧に本書を読んだか、あるいは、積読しておいて古本屋に回ってきたのか、いずれにしても、紙色が変わっていることを除けば、しっかりしているので、買い求めることにしたのだった。

 私は、存外、古本が好きである。このときも、5冊ほど買い求めて帰ったのだが、愚妻は、古本が嫌いである。「かび臭い本を読まなくても、新しい本はいくらでもあるではないか。」というのが上さんの主張である。

 私は、大学の時からずっと古本のお世話になってきた。私が選択した講義で使われる文献などは、だいたい古本屋で買い求めたものだ。私の書斎は、今でもその頃買い求めた書籍の山にうずもれているのだ。思い出深いところでは、野呂栄太郎の『プチ帝国主義論』の初版本を発見したときの感動をまだ覚えていたりする。

 ところで、堀淳一さんの『地図のたのしみ』を読んで、国土地理院発行の2万5千分の一の地形図の収集を始めた。といっても、自分が足跡を残した土地、歩いた道路などに印をつけるために買い集めていった。若い頃から出張が多い生活をしていたので、全国各地を回っている気がするが、それでも、手元にある2万5千分の一の地形図は、500枚程度だ。ようするに国土地理院の2万5千分の一の地形図の1割程度しか持っていないということだ。

 堀さん同様、地図を見ること、地図を見ながら歩くこと、地図を買い集めること、そんな趣味を持っている私にとって、冒頭の手作りの200分の1の庭の地図の話など、実に楽しく読んだ。自分で地図を作る。地図好きの究極の楽しみ方のような気がする。そこまで、踏み込んだことのない私なんぞは、彼には遠く及ばないことを思い知らされるのだが、この本を読んで、自分で体験した気になるっていうのも、一つの方法だね。

 地図と鉄道の話や、地図評論、地図にまつわるいろんなネタがいっぱい詰まったエッセイだ。
 自分の人生に悩み、進むべき道を見失った人は、この本を読んだらいい。きっと、新しい人生の地図が見つかるのではないだろうか?
【2006/03/16 19:01 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
医療行政の舞台裏
水野 肇著『誰も書かなかった厚生省』(草思社、2005年7月7日第1刷)

 山陽新聞社会部デスクの時代から日本の医療行政を追い続けてきた人らしいですね。そういえば、番記者には、結構本音を漏らすらしいですね、政治家や官僚でも。この間、私の友人に聞いた話ですけど、日本の閣僚の多くは、中国に外遊に行くと夜伽の女性をあてがわれ、骨抜きにされてしまうらしいですよ。
 中でも、K議員は北朝鮮で、あの美女にお相手してもらい、その様子をしっかり記録されているらしいですよ。その為、北朝鮮への経済支援が決まり、拉致問題などがありながら、経済制裁に踏み込めないというような話を聞きました。ほんとかどうか良く分かりませんが、面白い話だなと思いました。

 さて、この本に、そんなオフレコの話が出てくるのかどうか、ちょっと楽しみですが、やはり、オフレコの話は記者がそのまま棺桶まで持っていくのでしょうね。

 そんな話を思い出した一冊です。
【2006/02/17 17:49 】 | リーディング | コメント(2) | トラックバック(0)
国民の立場で企業のあり方を考える
丸山 恵也編著『批判経営学 学生・市民と働く人のために』(新日本出版社 2005年3月25日初版)

 著者は、東邦学園大学学長。
 企業は、社会の姿を映す鏡だといわれるが、ライブドア事件に象徴されるように、小泉構造改革路線の中で、日本企業のモラルハザード(倫理崩壊)が問題視されるようになっている。そのことは、日本社会の病巣が深部にまで達し、モラルハザードの連鎖の中で国民だけが「痛み」を押し付けられていることに他ならない。

 そしてまた、不祥事が発覚するたびに、物知り顔の経営学の専門家がコンプライアンスの重視を叫ぶ。一般に、経営学というと、なにやら胡散臭い学問で、粉飾決算や脱税といった企業経営者の行動を覆い隠す学問のように受け取られる向きがあるが、そうではない、経営学は「金儲けのための学問」ではなく、企業で働く労働者、消費者、地域住民の立場に立った経営学というものも成立するのである。

 本書は、そういう立場を代表する経営学の書物である。
【2006/02/14 20:28 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
古代の生活
金関 恕、春成 秀爾編『佐原真の仕事5 衣食住の考古学』(岩波書店、2005年7月20日第一刷)

 著者は佐原真さん。1932年大阪生まれの佐原さん。私よりも26歳年上で02年に70歳でお亡くなりになった。奈良国立文化財研究所勤務の後、国立歴史民族博物館館長をされ、考古学の話を現代の生活にひきつけて素人の私たちにも分かりやすい講義をしていただいた。

 佐原さんの論文を再編集して、佐原真の仕事というシリーズが刊行されたのだが、本書はその第5巻にあたる。人間の生存にとって最低限必要なものが「衣食住」、その衣食住に的を絞って、食材採集から調理道具、皿・・・何をどんな風に食べていたのかなど、興味深い論文が並んでいる。

 私は、日本酒のルーツを捜し求める旅の途中にあって、佐原さんの論文は非常に参考になったし、講義も楽しく聞かせていただいた一人なのだ。あらためて佐原さんの論文を読むと、実に良い仕事をした方だったんだなということが実感させられる。
【2006/02/11 11:10 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
24節季
川口 澄子画・文 『旧暦ライフ温故知新』(ピエ・ブックス 2005年1月21日初版第1刷)

 24節季って知ってますか?全然知らないって人はいないはずなんです。ただし、それが24節季の一つだということを知らないというケースはあると思いますけどね・・・

立春 2月4日頃、暦の上では冬から春への季節の変わり目
雨水 2月19日頃、雪や氷が融け、雨となつて降り注ぐ
啓蟄 3月6日頃、地中の蟲が、這い出てくる頃
春分 3月21日頃、昼と夜が同じ長さ、夏至まで徐々に昼の時間が長くなる
清明 4月5日頃、桜など草木の花が咲き、万物に清明の気が満
穀雨 4月20日頃、暖かい雨が降り、穀物の成長を促す
立夏 5月5日頃、夏の始まり
小満 5月21日頃、陽気が盛んで、草木などが成長して満という意味
芒種 6月6日頃、芒種は稲などの穀物の事を指す。田植えの時期にあたる
夏至 6月22日頃、太陽が天球上で夏至点に達し北半球で昼がもっとも長い
小暑 7月8日頃、梅雨があけ暑気に入る
大暑 7月23日頃、暑さがもっとも厳しい時期、大暑過ぎれば夏も終わり・・・
立秋 8月8日頃、秋の始まり、残暑が続く時期
処暑 8月24日頃、暑さが去ることを意味している
白露 9月8日頃、秋分の15日前、秋の気配が・・・
秋分 9月23日頃、太陽が秋分点に達す、昼夜の長さが同じに
寒露 10月9日頃、晩秋から初冬の間の露の意
霜降 10月23日頃、文字通り霜が降り始めるの意、秋の終わり
立冬 11月8日頃、季節が冬にいたる、季節風が吹き始める
小雪 11月23日頃、木枯らしが吹き始め、本格的な冬へ
大雪 12月8日頃、山では、かなり雪が降り積もる、日暮れの時間が早くなる
冬至 12月22日頃、北半球では正午の太陽高度が最も低くなる、夜が一番長い日
小寒 1月6日頃、小寒の季節に入ることを寒の入りという
大寒 1月20日頃、1年を通じて最も寒くなる頃、立春までを寒の内と呼ぶ

 どうですか?知っている日があったでしょ。日本人の季節の移ろいを感じる豊かな感性に感動しませんか?私は、感動しますね。
【2006/02/02 21:12 】 | リーディング | コメント(0) | トラックバック(0)
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